スマートモビリティ
ローランド・ベルガーは、スマートモビリティ分野のエキスパートと知見を世界中から結集するとともに、自動車、インフラ、輸送分野などのエキスパートも集めた部門横断的アプローチを実施します。
By Ron Zheng and Tim Longstaff
ローランド・ベルガーでは、自動車メーカー、EV充電インフラ運営者、電力会社を支援するために、「EV Charging Index」を年2回発表しております。今回、第3版のEV Charging Indexでは、2022年上半期における世界のEV販売の93%以上を占める30地域の市場に対して15,000サンプルを超えるアンケートや、EVおよびEV充電市場の現状・今後を評価するための調査を行いました。その要旨和訳版を紹介いたします。
要旨
1.ウクライナ問題に伴い、エネルギー価格や原材料価格の高騰、サプライチェーンのボトルネックの発現などが、自動車産業に大きな打撃を与えている。しかし、今回の調査によると、EVとEV充電市場は依然として力強く前進している。
2.EV Charging Indexでは27の指標で各市場の評価を行いスコアリングしている。中国は本指標において、100点満点中81点を獲得し、前回・前々回と同様、首位となった。2位はドイツ(71)、3位はオランダ(69)となった。全体として、平均スコアは第2回と比較して上昇した。
3.エネルギー価格の上昇と自動車業界のサプライチェーン逼迫が重なり、2022年上半期の世界の自動車販売は2021年下半期と比較して約2%減少したものの、EVの販売は2021年下半期と比較して世界全体で6%増加している。
地域別でみると、APACと北米が成長をけん引しているが、欧州のEV販売は9%下落した。
4.欧州では電気料金の高騰を背景に、新車販売におけるEV浸透率(新車販売におけるEV比率)が2021年後半から3pt減少した。しかし、他の全ての地域では、EV浸透率は横ばいまたは改善しており、例えばAPAC地域では3pt上昇している。
5.全体的に充電インフラ整備の成長率は鈍化しており、欧州と北米は2021年後半と比較して伸び悩んでいる。しかしAPAC、特に東南アジアは大きな伸長が見られる。例えば、東南アジアの充電器数の成長率は173%と飛躍的な伸びを記録した。
また、充電インフラの数に対するEV台数という“インフラ効率”の観点で見ると、東南アジアや中東ではEVの増加に対し充電インフラ整備が追い付いていない現状が見られた。しかしながらグローバル全体で見ると充電インフラ整備によりこの半年間では改善が見られた。
自動車市場におけるEVの浸透と、その後押しをするEV充電インフラの整備は、着実に進んでいる。ただ、その歩みは、様々な要因により前後するとともに、地域によりその進展やドライバーは異なる。
日系メーカーとしては、日本の目線のみならず各国それぞれの状況を正しくとらえていくことが必要になる。
EV化が進む自動車業界。各社が戦略を作り上げるためのサポートをローランド・ベルガーは続けていきます。
和訳要旨・共著:板村圭作
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