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Global Pharma Study 2024 - パフォーマンス・プログラムの新時代

Global Pharma Study 2024 - パフォーマンス・プログラムの新時代

2024年10月22日

研究開発と生産の効率性を確保することで拡大傾向にあるプロフィットギャップの拡大を抑えながら、いかに持続的な製品成長を実現するか

ローランド・ベルガーの「Global Pharma Study 2024」では、上場している150社以上の製薬・ライフサイエンス企業の業績を分析し、業界平均を上回る収益性と売上高成長率を持ち、その結果優れた株主還元を行っている企業を洗い出した。本調査では、これらの製薬企業の「勝者」企業群に共通する4つの特徴が明らかになった。

「製薬業界の『勝者』は業務効率の達人であり、現在同じ課題を抱える多くの同業者のロールモデルとなっている。」
Portrait of Michael Baur
パートナー

第1の共通点として、勝者は、顧客に対して独自の価値提供を行っているため、その治療分野においてリーダーシップを持っている。これは、第2の共通点である、確固たる戦略の一貫性があることによる結果である。勝者においては、戦略が一貫していることによって、注力対象とする疾患や症状を限定し続けることが可能になり、事業シナジーの実現や、積極的な事業ポートフォリオの管理も可能になる。勝者における戦略の一貫性の高さは、ESGスコアや研究開発費率の高さにも反映されており、2020~2023年の研究開発費は勝者においては平均して売上高の19%となっており、下位4分の1の「アンダーパフォーマー」企業群より6ポイント高い。

第3の共通点として、勝者は、効率的な資源配備と先進的な資本配分を通じて、一貫した戦略実行を可能にしている。アンダーパフォーマーの販管費が売上高対比32%であるのに対し、勝者の販管費は売上高対比19%と大幅に低くなっている。またCOGSについても、アンダーパフォーマーが売上高対比38%であるのに対し、勝者は売上高対比32%と低くなっている。第4の共通点として、勝者の財務規模と財務的な地位は、アンダーパフォーマーと比較すると大きい。勝者の平均時価総額は、アンダーパフォーマーの5倍以上となっている。強固な収益性・バランスシートと相まって、株式市場から比較的低コストの資本を獲得することができる。

「『勝者』は、彼らが注力する治療分野におけるリーダーであり、積極的にポートフォリオ管理を行い、将来においてもリーダーのポジショニングを維持するための研究開発投資を先行している。」
Portrait of Matthias Buente
シニアパートナー

2020年から2023年までの年平均EBITDAマージンについても、アンダーパフォーマーが23%であるのに対し、勝者は36%と大幅に高くなっている。これは、勝者が、製薬業界全体と同様の課題に直面しながらも、利益成長を継続するために経営効率を維持できていることを示している。調査によると、現在製薬業界全体が直面している最も重大な問題のひとつは、コストと価格設定への圧力である。この問題の重大性は、医療費増加に対する世界的な懸念、地政学的な要因によるエネルギー・原材料価格の高騰、インフレによる賃金上昇と歩調を合わせるように、過去1年間で高まってきている。

ローランド・ベルガーの「Global Pharma Study 2024」は、研究開発、製造、営業・マーケティングを中心に、より多くの企業が業務効率向上のためのパフォーマンス・プログラムの必要性を認識するようになっていると結論付けている。また、AIの出現が、研究開発、製造、医療従事者とのやり取りを改善する機会をタイムリーに提供していることも示している。本レポートでは、経営陣が今後どのような課題が待ち受けているのか、また、それらに対応する準備がどの程度できているのかを評価するのに役立つ問いを提起している。あるべき答えを導き出すことができれば、企業は優れた株主還元を実現するための勝利への道へ近づくだろう。

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