Roland Berger’s latest consumer behavior report highlights the most important global trends and offers valuable insights for businesses in an uncertain period.
複雑化するアジアの消費者動向をひも解く
By Hugo Texier
ローランド・ベルガーのアジアの消費者動向分析をブランドや小売企業が戦略的洞察として活用するために
アジアにおける個人消費は急成長しており、今や世界市場の4分の1以上を占めている。インド、特に中国がその牽引役となっている。とはいえ、節度ある消費が主流であり、アジア人は手頃な価格を重視している。持続可能で健康的な生活を求める傾向は明らかで、消費者はすべての消費カテゴリーで国内ブランドを好んでいる。今後の消費者心理は、GDP成長率の見通しによって国によって異なる。
これらは、アジアにおける個人消費に関する最近の調査結果の一部にすぎない。初の地域版となる今回は、中国、インド、日本、韓国、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、タイの参加者から話を聞き、現在のショッピング傾向に関するデータを収集し、今後2年間の見通しを立てた。本レポートでは、カテゴリー、チャネル、ブランドを横断してアジア小売ビジネスの商機を考察し、戦略的事業展開に不可欠な洞察をまとめている。
中国とインドがリード
アジアにおける個人消費は2024年には16兆米ドルに達し、世界市場シェアの27%を占めると予想されている。この額は2033年までに7兆米ドル増加する見込みである。中国とインドがこの増加分の4分の3以上を占めることになり、両国が成長戦略の要となるのは明らかである。
当然のことながら、消費者心理は各国のGDP成長の見通しと連動している。インド、中国、ベトナムを筆頭に、ほとんどのアジアの消費者は、個人所得の増加を確信している。しかしながら、韓国と日本の消費者の大半は、今後2年間の個人所得の伸びについて否定的な見通しを持っている。
消費が増加する可能性のあるカテゴリー
多くの消費者にとって、食品と家庭用品が優先される主なものであるが、中国では、衣料品や履物、レジャーやレクリエーションが最も重視されている。大半の国で、18~25歳の消費者はファッションやパーソナルケアに多くのお金を費やしている。
現時点で最も人気のある消費カテゴリーは、今後2年間でも消費が増加する可能性が最も高い。インドの消費者、特に現在の低所得者層は、総支出を増やす可能性が最も高い。東南アジアがこれに続き、先進アジア諸国(今回の調査では日本と韓国)の消費者は楽観的ではない。GDP成長率が堅調に推移する見通しであるにもかかわらず、中国の消費者は、ほとんどのカテゴリーで支出を劇的に増やすとは考えていない。
この地域のライフスタイルの嗜好に関する弊社の分析では、健康的で持続可能な生活への意欲が明らかになっている。エンターテインメントやペットの飼育も重視されているが、贅沢品は優先順位が低い。
好まれるのは、国内ブランドと利便性
国内ブランドと海外ブランドのどちらを好むかという質問に対して、程度の差はあるものの、回答者の大多数が各カテゴリーにおいて国内ブランドを好んでいると回答した。これは、デジタルネイティブである強力なアジア系ブランドの台頭が一因と考えられる。
アジアの消費者の間では、便利かつ安全で、パーソナライズされたショッピング体験が、オンライン小売、モバイル決済、オムニチャネルの利用を促進している。対面販売も決して衰退はしておらず、アジアの消費者の3分の2強が、年齢や所得水準に関係なく、オンラインとオフラインを組み合わせたショッピングアプローチを好んでいる。
ブランドと小売企業へ
アジアの消費者市場に、新たな競争パラダイムが訪れつつある。グローバルブランドは、品質、価値、魅力の面で、もはや既定の選択肢ではない。この地域で成長を目指すブランドや小売企業は、これまで以上に慎重にアプローチを検討する必要がある。
アジアの消費者動向に関する弊社のレポートでは、より収益性が高く複雑な状況下で成功するための5つの提言をまとめている。
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